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株式会社プリズム 代表取締役会長 深津 修一さん

2016年1月号 AIRDO機内誌「rapora」掲載
※情報は2015年12月1日時点の内容です

映像で北海道観光を盛り上げる

有名アーティストのライブステージで流れる映像や、北海道を舞台にした映画、雪まつりのプロジェクションマッピングなど幅広い仕事を手掛けている映像企画制作会社が北海道札幌市にある。映像技術のプロとして長く業界に携わる、深津修一会長を訪ねた。

世界へ送り出す映像技術

転機は突然やって来た。知人から「とりあえず行ってくれ」と急ぎの仕事依頼を受け、詳細を知らぬまま札幌市内のコンサート会場へ。1995年、その日がシンディ・ローパーのジャパン・ツアーの札幌公演当日であることを、到着後に知る。「ステージで歌う彼女の胸部にフィルム映像を映し出してほしい、という依頼でした」とプリズム代表取締役会長の深津修一さん。

驚いている暇はなく、「クラシックカーが走っているフィルムを、まずは曲の長さに合わせる編集から、手作業でやりました」。見事やり遂げた結果、先方から請われて、その後2カ月間の国内ツアーに帯同。当時は会社員だったが、映像技術者としての腕を見込まれての依頼だった。

その体験で感じたのは、映像の"限りない可能性"だったという。「四角いスクリーンに映すだけではなく、映像はもっと自由なもの」。大きな刺激を受け、1996年、自分の会社を立ち上げて現在に至る。

大学時代に映画に傾倒し、「この世界で生きていきたい」と思うようになった深津さん。以来約40年、フィルムからビデオ、そしてデジタルへの過渡期を、映像に寄り添って生きてきた。

写真左:「食文化」をテーマにしたイタリア、ミラノ万博(15年)の、日本館の展示シーンより。水田や魚、エビ漁の模様などを映し出すプロジェクションマッピングを担当した
写真右上:プリズムが製作した、剣淵町が舞台の映画「じんじん」(大地康男企画・主演)の作中から生まれた絵本「クロコダイルとイルカ」
写真右下:ノートパソコンで操作を行う深津さんの手元。膨大なデータをこれで管理する

「枠にとらわれない」が仕事のモットー

07年、サッポロ・シティ・ジャズのイベントで日本初お目見えしたドーム型テント会場「ホワイトロック」では、それまで、ほぼプラネタリウムでしか導入されていなかった全天周スクリーンへの映写と、ライブステージの融合を成功させた。

13年のさっぽろ雪まつりでは、雪像を使ったプロジェクションマッピングに初挑戦。それは深津さん自身にとって、かけがえのない感慨をもたらした。「会場を埋め尽くした観客の方々から、歓声と拍手が起こったんです。
映像は常に脇役で、ライブやイベント会場の背景やセットの一部であることがほとんど。"主役"としてその場で拍手をいただけるなんて、これ以上の喜びはありません」。現在も、ことしの雪まつりのプロジェクションマッピングに向け、準備の真っ最中だ。

札幌に本社を構えるプリズムが手掛ける映像の仕事は、これまで米国、ヨーロッパ、アジアなど海を越え、その演出法も多岐にわたる。常に映像の最先端を走る立場にあって、日頃心掛けていること尋ねると「1日1本映画を観ることかな。DVDが多いけど、それが息抜きでもあります」仕事のモットーは「枠にとらわれない」こと。常に、自分自身もワクワクできる映像表現を目指している。

写真左:雪まつりのプロジェクションマッピングに使用するプロジェクターの一つ。厳寒の屋外で作動させるため、専用の断熱ケースも作った
写真右:プリズムが手掛けた、さっぽろ雪まつり会場でのプロジェクションマッピング(14年)の映像より

PROFILE

深津修一(ふかつ・しゅういち)

1954年、愛知県生まれ。1973年、北海道大学進学。学生時代に「寄りあい所帯」という映画サークルを立ち上げ、仲間と共に喫茶店での16ミリフィルムの上映会などを企画。卒業後、1977年に北海道フィルムアートに入社。映像技術者としてキャリアを重ねる。1996年、株式会社プリズムを設立。以後、国内外でライブやイベント映像などを多数手掛け、上川郡剣淵町を舞台にした13年公開の映画「じんじん」ではゼネラルプロデューサーを務めた。現在ゆうばり国際ファンタスティック映画祭プロデューサー、モエレ沼芸術花火プロデューサーを務めている。

DATA

株式会社プリズム

札幌市中央区北1条東13-1-79
TEL:011・252・3838
http://www.eizou.com/

編集:(株)KADOKAWA 文:矢代真紀 写真:齋藤義典

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2016年1月号 AIRDO機内誌「rapora」掲載
※情報は2015年12月1日時点の内容です

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最新号はぜひ機内でお楽しみください。

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