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贈る人にも、もらう人にも幸せを届ける木のマグカップ 「しもかぷ工房」 [占冠村]小さな工房の手しごと/工房探訪

2017年2月号 AIRDO機内誌「rapora」掲載
※情報は2017年1月1日時点の内容です

写真:しもかぷククサのスタンダードタイプ¥6,912〜(右)、と荒削りタイプ¥6,480〜。それぞれプラス¥540で底に名前が入れられる

日高山脈や夕張山地などの山々に抱かれ、村域の約94%を山林が占める占冠村。村の中心部から外れた山間の小さな集落に、旧占冠小学校の校舎を利用した「しもかぷ工房」はある。

工房はグラウンドに面した元教室で、大小さまざまな木工機械がみっしり並んでいる。「何にもない所ですが、静かで、じっくり物を作るにはいい環境ですよ」と、代表の吉田耕一さん。

吉田さんは名古屋生まれの岐阜育ち。北海道大学在学中、たまたま所属サークルの記念品としてバンダナを作ったことが、物作りの世界へ入るきっかけとなった。「そのバンダナを、みんなが喜んでくれたのがうれしくて。何かを作る仕事に就きたいと思ったんです」

地元、飛騨高山の森林たくみ塾で木工の修業を始め、その後、家具工房や建築デザイン事務所勤務を経て独立。しかし、金銭面などで木工職人として独り立ちするには厳しい状況があり、違う仕事に就こうかと悩んでいたところ、大学時代の友人から占冠村で木工職人を募集しているとの連絡が入った。

すぐに応募したところ、見事合格。そこで、地場材を使ったシンボル的な作品をと生み出したのが、代表作の木のカップ「しもかぷククサ」だ。ククサとは北欧の遊牧民族・サーメ人に古くから伝わる手作りのマグカップ。サーメ人は子どもが生まれたとき、親が我が子の幸せを願いながらククサを手作りし、それを一生大切に使うという。

写真左:カップの原型を旋盤にかけ、丁寧に削っていく
写真右:やすりでの削り作業

「しもかぷククサ」の材料は、占冠村で産出されたカバ材。まずは大まかな形を切り出し、一つ一つ旋盤にかけてカップの中を削っていく。その後、何度もやすりをかけて形を整え、最後にウレタン塗装を施す。手間も時間もかかる作業だが、そうして作られたカップは、しっくりと手になじみ、木ならではの柔らかさとぬくもりがある。

写真:木を削る道具。用途によってさまざまなタイプがある

そしてもう一つの代表作が、「タッチウッド」である。「箸置きを作っていた時、箸を置くヘコミを触ると、何ともいえない安心感や心地よさがある」と気付いた吉田さん。そんな時、西洋では厄除けに「タッチウッド」といって木製品に触る習慣がある事を思い出し、ヘコミをつけて丁寧に磨いた木片を商品化。カエデ、イチイ、サクラなど5種類あり、それぞれ色味も触り心地も異なるのが面白い。

「そもそも〝喜んでほしい〟という思いが原点なので、家具でも小物でも、作る物は何でもいいんです。ただ職人として、自分のためではなく、使う人のために作りたい」と吉田さん。

しもかぷ工房のカップや箸がシンプルで使いやすいのは、そんな思いがあってこそ。そして全ての作品には、贈る人も、もらう人も幸せになってほしいという願いが込められている。

写真左: 上着などのジッパーに付けるジップタブ1個¥388
写真中:さんぼんなべしき¥1,728
写真右:タッチウッドは1個¥432〜

工房profile

10年、占冠・村づくり観光協会が林業資源の再生活用事業として工房部門を設立。
「しもかぷ工房」を立ち上げ、しもかぷククサ、サクラの五角箸などの製造・販売を始める。翌年にタッチウッドを発表。14年に観光協会より独立

DATA


しもかぷ工房 [占冠村]

北海道勇払郡占冠村占冠
TEL:0167・56・7608
https://www.shimokap.com
※HPからも注文可能

直営ショップ「しむかっぷ市場」 [占冠村]
北海道勇払郡占冠村中央、道の駅 自然体感しむかっぷ内
TEL:090・7584・1552
9:00〜18:00
休日:無休
交通:道東自動車道・占冠ICより車で約2分
※星野リゾート トマム、北海道どさんこプラザ札幌店などでも販売

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2017年2月号 AIRDO機内誌「rapora」掲載
※情報は2017年1月1日時点の内容です

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